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大学入試センター試験~英語の試験問題

最終更新: 1月20日

昨日、今年で最後となる大学入試センター試験が始まった。


今朝の新聞に昨日の試験問題が出ていたので、英語の問題のいくつかを解いてみた。普段英語を教えていたながら怠惰な話ではあるが、去年までは「チラ見」する程度だったのだ。昨年までは「チラ見」したうえで、センター試験の英語の難しさは、「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)のB1レベルぐらいかな?」と思っていたのだが、解いてみると違った。まずは、読解の問題だが、B1レベルの難しさはない。B1とその下のA2の間ぐらいだ。当教室で使っているPearson社の「Gold Experience A2+A2とB1の間のレベル)」というテキストがあるのだが、ちょうどそのぐらいのレベルだ。聴き取りの問題は、さらにその下のA1(ケンブリッジ英検では子供向け試験のMovers)に始まり、その一つ上のレベルA2で終わるというぐらいのレベルである。

レベルに関しては、上記の様な感想を持ったが、問題の質に関しては、優れていると思った。英語に長けた方々が、様々なことを考慮されながら、作成に携われたのだろうと感じる。読解問題の文もきちんとした英語であり、先に日本語があって、それを後から英語に訳した様な不自然さもない。今現在の高校の英語教育を鑑みるに、問題文がもう少し難しくなってしまうと、多くの受験生達が点数をほとんどとれなくなってしまうだろうから、これらの問題は妥当で、この様な問題を作成される方々の見識は素晴らしいものだと思う。私の様な凡人には、とてもではないが真似できるものではない。


総じて、この試験問題は、今現在の日本の大学受験生の語学力をはかるのにとても適しているのではないいだろうか。(問題をもっと難しくしてしまうと、中学・高校の英語教育が劇的に変わる必要が生じるが、それはとても難しいことだろう。また、そもそも学問で必要とされる英語力はそこまで高くない。)

民間試験の導入問題で、ごたごたした大学入試ではあるが、大学入試センター試験でじゅうぶんではないだろうかと、解いてみてつくづく思う。基準がばらばらな民間試験では、受験生たちの語学力を公正にはかることはできない。もし、もっと詳しく受験者の英語の力を知りたいのであれば、今現在行われている様に、各大学が独自に試験を行えば良いだけの話なのではないだろうか。東京大学の2次試験の問題を見てみたことがあるが、良質な問題で、素晴らしいと思った。かつて自分が受けた大学の英語の2次試験の問題は、最後の問題がユーモアにあふれていて面白く、解きながら笑った。「この問題を考えられた先生は、お人柄がよく、面白い方なのだろうな。」と思い、明るい気持ちで試験場を後にしたのを覚えている。それぞれの大学には、優れた先生方がたくさんいらっしゃる。民間試験を活用するより、それぞれの大学や学部で必要とされる英語力を独自に判断するのが一番適切ではなかろうか。


そもそも、「ヨーロッパ言語共通参照枠」に基づいて作られていない英語の民間試験(「ヨーロッパ言語共通参照枠)に基づいて作成されている試験は、ケンブリッジ英検とIELTSの2つのみ。)を無理やり「ヨーロッパ言語共通参照枠」に押し込めて、次元やレベルの違う試験を同じレベルとして扱い、大学入試に使うというのは、愚の骨頂と言っても過言ではないだろう。例えて言えば、中学校の入学試験問題と大学のそれとを同じレベルとして扱うようなものだ。ところが、大学によっては、今後も民間試験を受験の際の指標に使うところがあるという話を耳にし、受験生たちの英語力が公平に判断されないことについて憂慮の念を禁じ得ない。


来年度以降の試験のために、共通テストが準備されつつあるとはいえ、これから大学入試がどうなっていくのかあまりよく分からない。ただ、自分としては、昔の様に大学それぞれが、すべての試験を独自に行うのが良いと思っている。我々共通一次世代以降の者たちより、それ以前の先輩方のほうが、知的レベルが高い様に思われるからだ。

とはいえ、様々な事情でそれがかなわないということであれば、英語に関しては、昨日行われた大学入試センター試験の問題の方が、レベルや次元の違う試験を一緒くたにした、民間試験導入より遥かに優れていると思う。また、上述したように、内容が大学入試試験センターのものより難しくなると、中学・高校の英語教育のあり方が劇的に変化しない限り、点数が低くなる受験生が大量に発生して、そういった受験生たちの英語力そのものをはかれなくなってしまうのではないだろうか。なので、大学個別でなく、受験生共通のテストとして行うのであれば、難易度は、大学入試センター試験のものと同程度にとどめる必要があると思う。


民間試験導入にあたっては、多くの皆さん方が、ご尽力なさった。長い時間と経費を費やして準備して来られて、昨年まさかの導入延期。私は、最初から民間試験導入には反対で今もその気持ちに変化はないのであるが、これらの皆さん方の思いを慮ると、辛く悲しい。政府との癒着を報じられた試験団体もあるし、問題文及び採点方法に重大な問題を抱えている試験を行っている団体もあるが、問題文も採点方法もきちんとしている正直な団体もあるのだ。そういった誠実な運営をしている試験団体に属していらっしゃる方々の心労を思うと胸が痛む。政府には、もう二度と、この様な事態が生じないよう、慎重に対策を講じてもらいたい。


ヨーロッパのエストニアでは、近年、ケンブリッジ英検にそっくりの試験が大学入学試験で採用され、それとともに、若者たちの英語力が急激に伸びたらしい。常日頃、ケンブリッジ英検受験へ向けて生徒達を指導している我が身としては、さもありなんと思うところだ。

日本でも、その様な、その試験を受けるために勉強すると英語力がきちんとつく試験が、大学入試で採用される日がいつか来ることを切に願う。



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