​当教室でのフォニックスの指導について

英語には、何百年にも渡って様々な地域の言葉が取り入れらて来ました。例えば、日本語由来のanime(アニメ)やrickshaw(人力車)、satsuma(みかん・薩摩焼~どちらの意味の場合でも「satuma」と同じ綴りで書きますが、

みかんを意味する時と薩摩焼を意味する時では、発音が違います)、アラビア語由来のcandy(飴)等々。その数は、英語の言葉全体の80%にも及ぶと言われています。様々な地域の言葉の特性が反映され、英語は言語として趣の深いものとなっています。ところが、その様々な地域の言葉を取り入れる過程において、また年月を経ての発音の変化等々、いくつかの理由によって、言葉の発音と綴りに整合性がとれない事態が生じてしまいました。日本で標準とされている言語においては、「あ」の文字の音は常に「あ」です。時と場合によって、「あ」の音が「か」や「む」と発音されたり、あるいは発音されなくなるなどということはありえません。平仮名と片仮名の一つ一つの文字は、一つ一つの音としっかり対応しています。

しかし、英語では文字と音が一対一で対応していないために、時と場合によって音が変ってきます。そこで、読み書きを少しでも楽にできるようにと考え出されたのがフォニックスです。

 

イギリスの小学校でもフォニックスの学習が取り入れられるようになってから、特定のタイプの子供達には効果が出ている様です。その一方で、別のタイプの子供達には弊害(例.本を読むのが大好きだった子供が、本を読むのを嫌いになってしまう)も出ているようで、議論の的になっています。

 

フォニックスが万能でないのは、以下の理由等によります。

  1. 英語には、サイトワードと呼ばれる、どうやってもフォニックスの原則に当てはまらない言葉がたくさんある。このサイトワードは見て覚えるしかない。

  2. 前述した「satsuma」と同じく、同じ綴りであっても、wind(風)」「wind(巻く)、「read(現在形)」「read(過去形)」の様に意味や時制が変わると読み方が変わるものがある。

  3. 単独で読む場合と、文脈の中で読む場合、発音が違ってくる単語がある。例~「was」を単独で読む場合と「It was sunny.」と文章として読む場合、それぞれ「a」の音が違う音として発音される。

  4. 単語の一番最後の音が、次の言葉の先頭の言葉と融合する場合がある(Assimilation)

 

私(当教室の従業員)は、若い頃にはフォニックスの存在すら知りませんでした。イギリスで語学学校に通いましたが、フォニックスについて何も教えを受けなかったばかりか、フォニックスという言葉を耳にしたことすらありませんでした。それでも英語の読み書きに特段の困難を感じたことはありません。今でも、知らない言葉に遭遇したら、辞書で調べる(発音は、発音記号⦅発音記号も万能ではないと思われる場合があるため、注意は必要⦆やアプリから出る音で確認)、それでことたります。あっと言う間です。

 

一年ほど前、フォニックスに興味がありそうな生徒がいたので、少し詳しく教えてみたのですが、知らない言葉に遭遇した時、あまりにもフォニックスの原則にこだわり過ぎて、かえって学習に遅れを来すと思ったので、教えるのをやめてしまいました。

 

前述したように、フォニックスはあるタイプの子供達(どんなタイプなのなかは、ここでは詳述しませんが)にはかなりの効果を発揮するようです。その一方で、別のタイプの子供達にとっては弊害となる。これらの事実、また、自分自身が英語を学んだ過程での経験、及び、子供達に英語の読み書きを教えて来た経験から、英語を母国語としない日本で生まれ育った人たちには、フォニックスのごく基本的なさわりの部分のみを教えるのが最適ではないかと思っています。

 

そこで、当教室では、幼児及び小学校1年生にフォニックスのさわりの部分のみをさらっと教えます。それ以上の年齢の生徒達の授業では、上記の「Assimilation~言葉の繋がりによって音が変化する」等も含めたうえでのアクセント指導に重きを置いています。